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さて,夏である。毎日,暑い。暑さから逃れるためには高いところに登るのが手っ取り早い。というわけで,以前から走っていた,西吾妻スカイバレー(標高 1430m),磐梯吾妻レークライン(標高 1000m),磐梯吾妻スカイライン(標高 1620m),鳩峰峠(標高 800m)を繋いで磐梯吾妻一帯を一気に走るコースをチョイス。今風に,「グランフォンド磐梯吾妻」と名付けて,賑々しく第一回の開催である(ウソウソ)。距離は 180km ほどで,トータルの登坂標高差は 3200m ほどのコースだ。参加費は,レークラインとスカイラインの通行料の 240 円(90 円 + 150 円) のみという格安さ。加えて,エイドステーション,道案内,その他参加者の利便を図るようなものは一切なしという極めてシンプルな運営体制。自転車イベントここに極まったという感じである。不定期開催ということで,思い立ったのは前日の8月25日。チーム掲示板に,参加者募集の呼びかけをしたのだが,案の定というか,いつもの通りというか,手を挙げたのは,丸山さんとオレのみだった。^^;
ところで,ここで「グランフォンド(Granfondo)」について若干解説しておこう。とはいっても,例の如く,他の HP からの引用である。
「グランフォンドというのはイタリア語で「大きな移動」という意味である。160kmほどの長い距離を大勢のライダーがいっせいにワアワアワアとスタートし、先頭集団はロードレースさながらの駆け引きをしながら最後にはトップ賞を狙って激しいゴールスプリントまで演じてしまう一方で、後続の人々は参加系センチュリーランよろしく、のんびりと完走を目指しながら補給所でドリンクやクッキーを頬張り談笑を楽しむという、レースなのかサイクリングなのかわけのわからん摩訶不思議なイベント、それがグランフォンドなのである。」by 上阪卓郎
一言で言えば,なが〜くて(最低でも 150km ほどか),やたらに登り降りのあるコース(最低でも 1500m 以上のトータル標高差か)をヒーヒーゼーゼー言いながら走りましょうという,「ドM」の祭典である。
午前7時過ぎに自宅を出発。今日のバイクは COLNAGO である。さすがに,登れなくなって帰ってこれなくなるようでは,練習もなにもあったもんじゃない。ここは面子を捨てて実を取る,つまり,完走優先である。少しでも軽いバイクを選んだ。COPPI にはコンパクトドライブが付いてるが(インナーローは,34 x 25),なにしろ重い。もっとも,COLNAGO のインナーローは 39 x 25 で,このギヤ比で登れない坂は今回のコースにはない。その程度の登り坂である。もし,登れなくなったら,もうそれは実力不足,運動不足,体力不足,筋力不足,練習不足,勉強不足,資金不足(軽いマシンが買えない)ということである。というわけで,回りくどいが,今日のお供は COLNAGO である。
参考までに携行品は,携帯電話,デジカメ,ウィンドブレーカ(結果的に必要なし),ゼリー1個,現金 3000 円(どっかの誰かは 300km 走るのに 300 円しか持たなかったらしいが,オレにはそんな度胸はない。:-D)。もちろん,替えのチューブやインフレータ,簡単な工具は自転車に付いている。ちなみに,丸山さん宅に帰り着いたときには,ジャージのポケットには,携帯電話,現金 1700 円,ウィンドブレーカ,梨1個,ゼリー1個,あんパン1個,デジカメ,と出たときよりも重くなっていた。:-D
軽く脚を廻しながら,まずは船坂を登る。トンネルの手前まで来ると,道路脇のガードレール上に沢山のサルが我々を出迎えてくれた。丸山さんは,一緒に走っていて,サルを見つけると決まって突進して大声で威嚇する。よほどサルに恨みでもあるのだろうか?:-D 関の集落の信号を左折して白布温泉に向かう。この辺りから,今日は少々辛い一日になるかもという予感はあった。白布温泉街の 13% ほどの登りで早速丸山さんに置いていかれる。それほど速くもないのに,なぜか妙に苦しく付いていけない。加えて,猛烈な腰の痛み。踏み込むようになると,途端に骨盤の辺りが両側から締めつけられるような鈍痛が出てくる。脚が一杯になる前に,この鈍痛でペダリングを止めてストレッチすることになる。
スカイバレーに入ると,この症状はドンドンひどくなる。そんなこんなで,楽〜に登る丸山さん(前に出ると,オレがいつの間にかいなくなるから,らく〜に後ろに付いていたとは走行後の弁)の前をヒーヒーゼーゼー言いながら登る。腰が痛い。
時速は 10% 勾配の個所で 9km/h を割り込むほどに,..。#情けない,..。(´д`;) 粘り着くような,嫌な汗が噴き出して,ジャージからレーパンからグローブまでぐっしょりになる。顎からは汗がポタポタとトップチューブに落ちる。体重が重いと言うこともあるが,ここのところの呑んだくれ生活,1週間ほど前からのおかしな咳と痰などなど,体調自体もいささか良くなかったことも関係しているかも知れない。片や,還暦魔神の丸山さんは淡々とスイスイと登る。
もう,今日は絶対に完走は無理と思いながら,白布峠着。さてさて,これからどうしようかと思案しながらのダウンヒルに掛かる。
明日は福島側登りを利用したヒルクライム大会が開催される。安全管理などがやりやすいのだろうか。自転車レースに占めるヒルクライムの割合が高くなってきているように感じる。降る途中で,登ってくるレーサーを発見。明日の大会に向けたコースの下見だろうか? 檜原湖近くでは,明日の大会に向けて道路脇の清掃作業(らしきこと)が行われていた。
さて,ここが思案のしどころだ。今日のコースを檜原湖一周に変更して,再度スカイバレーを登って降って,おとなしく帰宅するか,当初の予定通りのコースに向かうか,..。が,ここでヘタレては男が廃るというもの。まだまだ廃業には間があるはずである。ということで,不安を抱えつつも,レークラインへのコースに向かった。ここから先は後戻りできない。檜原湖では,人の気も知らないで(:-D),暢気な釣り人が多数遊んでいた。:-D
スカイバレーを降って,檜原湖にぶつかり,左折して檜原湖の湖岸道路をしばらく走ると,ちょっとした繁華街のようなところで信号ストップ。ここを左折すれば直ぐにレークラインである。その前に,この交差点のコンビニで小休止。ここまでで2時間とちょっと。あとは,福島に行くまでコンビニはないので,ここで補給しておかないといけない。が,なぜか食欲がなく,粘っこい汗ばかりが流れて,体調が悪いことを否応なく認識させられる。昔は,この状態でも数時間我慢していれば,回復したものだが,最近では,...。食えそうなものとして,プリンなどを流し込んで,水を 500ml ほども呑んで補給完了。あんパンとクリームパンを買って,ジャージのポケットに詰め込む。最近のパンは窒素ガスか何かが袋に充填してあるらしく,パンパンに膨らんでいて携行性があまり宜しくない。袋をちょっと開いて,ガスを追い出し,さらにパン自体も多少丸め込んで原形を止めないほどに小さくしてジャージのポケットに突っ込む。
コンビニの先の信号を左折してしばらく行くとレークラインの剣ケ峰料金所へ。料金所のおじさんと「明日のレースの練習かい?」「い〜や,あんな高いレースにはでません」などと軽口叩いて,通行料金の 90 円を払って,いざ出発。またしても,10% 勾配をヒーヒー登ると三湖パラダイスなる展望場所に出たが,プレートの前に立って眺めてみても,見えるのはガードレールの向こうの潅木だけ。湖なんぞ,ほんのチラッと見えるだけ。さらに,最高標高まで行っても,磐梯山の爆裂口も他の湖もほとんど見えなかった。何回走っても,ここの通行料金は間尺に合わん。
ダウンヒルの途中にある中津川渓谷は,紅葉の時期なら奇麗だろう。どんどん降って,やがてレークラインに別れを告げて,土湯方面に向かう。変則T字路のような個所を右に行けば猪苗代湖,左に行けばスカイライン。左折したあとは,3~6% くらいの単調極まりない登りが続く。やがて,横向大橋に到着。ここまでで既に4時間経過。ここで小休止。水が足りない。まだまだ汗がビトビト流れる。よほど大量の毒が体内に溜まっていた様子。:-D ここでクリームパンを補給。
さて,いよいよスカイラインに掛かる。ここから土湯料金所までも延々登り。もっとも,勾配はそれほどでもなく,ほんの僅かの距離,10% (多分)が時折現れる程度。途中のホテルの脇から吹き出す地下水(らしきもの)をボトルに詰めてようやく人心地。水がなくなっていたので助かった。いつも,他の人よりも呑む量は多いのだが,それにしても,今日の給水量は半端じゃない。まだまだ,ビトビトと嫌な汗が流れる。ようやく,土湯料金所に到着。通行料金は 150 円 。料金所のおじさんが「米沢から〜〜?」と驚いている。う〜ん,やっぱり,それが普通の感覚か。^^; でも,まだ 100km 程度しか走っていないんだけど。この料金所の標高が 1200m でスカイラインの最高標高が 1600m 程だから,高々 400m も登れば,あとはお終いだ。:-D
が,やっぱり,登坂能力の違いは如何ともしがたく,丸山さんはとっとと行ってしまった。もう,一人になったので,あとはマイペースで写真など撮りながら,それでもあまり遅れない程度に頑張って登る。次第に高度が上がって,植生なども変わってくる。で,ようやく道路の最高地点に到着。ここから下り基調で浄土平に着いたのは12時30分頃。ここまでで5時間とちょっと。先行していた丸山さんとここで合流。幸い,寒くはなかったので待っていたとのこと。お待たせして,すんませんです。
さて,写真も撮ったから降りることにする。ここからの高湯側への降りは急勾配で長いので要注意。さらに,風向きによっては硫化水素ガスがまともに吹き付けるので,これまた要注意だ。「火山性ガス注意」の看板は伊達じゃない。
しばらく降りるとガスが掛って視界が悪くなってきた。寒い。浄土平は風もなく暖かかったのでウィンドブレーカを着けずに降りたのだが,やっぱり着た方が良かったか。面倒なのでそのまま降ったが,..。途中,ブレーキングで疲れて腕が痺れたり,頚が疲れたりと大変だったが,二十数キロのダウンヒルを終えて,ようやく福島のフルーツラインに合流。福島側は湿度が高くて蒸し暑い。この湿った空気が山にぶつかって,中腹でのガスになっていたのだろう。ここからは福島市の西側のフルーツラインを多少の向かい風の中タッタカタ〜とぶっ飛ばす。折角だからと途中休憩して,直売の桃やら梨などを頂く。人のいいおじさんおばさんで,水も貰えて有り難かった。「日本一周しているか?」の質問には面食らったが。^^; おじさんに「咽が渇いたら齧りなさい」と梨を1個ずつ頂いて先に進む。
ここから飯坂手前のコンビニでもう一回補給。オレは冷やし中華(塩分補給のために汁まで飲む),丸山さんは蕎麦を食す。飯坂温泉のところで加藤さんが仕事中らしく回ってみようかという話もあったが,面倒だし,時間もないのでパスすることに。いよいよ,399号線の鳩峰峠へ向かう。
飯坂から鳩峰峠までは,もう何回走ったかわからない。で,茂庭の辺りに少々気になるものがある。それが写真の「MANDALA MUSEUM」だ。「曼荼羅博物館」? が,まだ準備中らしい。一体誰が何の目的で作ったものか,..。謎である,機会があれば覗いてみたい。茂庭のところから摺上川ダム本体への登りはそれなりに急勾配で,しかもそれなりに長く,単調でいつも精神的な苦痛を覚える。そこで,橋を渡って対岸の登りを走ってみた。同じところまで登るのだが,こちらの方が単調さがない分,精神的に楽である。で,登ったところは「サルの楽園」だった。4〜50頭もいただろうか。もう,サル,サル,サル,サル,サルだらけ。親ザルにしがみついた子ザルもいれば,暢気にノミ取りに興じるサルもいる。もう,ゲップが出るほどサルを堪能した。
ここから,ダムの上をまたまた対岸に戻る。大勢の観光客がダム見物に来ていた。そこからはいつもの道。が,丸山さんのスピードが速い。もう,絶好調の様子。
とても付いていけずに稲子の集落手前でギブアップ。どうも,胸が苦しくておかしな感じだ。とにかく,ここからは今日一番の地獄の登坂だった。勾配は大したことがないのにスピードが上がらない。苦しくて仕方がない。先に行ってくれというのに,嫌だという丸山さん。付かず離れずで先行されるのが一番辛い。丸山さんは楽〜に登っているらしいけど。もう,本当に辛くて辛くて,..。思い切り空気を吸い込んでも,8割くらいしか入ってこないような変な感じ。ここのところの咳とか痰と関係あるのか? 軽い酸欠状態のような感じで,ずっと後頭部に痛みを覚えていた。最後には,伝家の宝刀・ヘビ走り(道路の右側から左側まで一杯を使った蛇行走行)まで出る始末。
午後4時過ぎに鳩峰峠着。オレは息も絶え絶え。丸山さんは余裕綽々。この峠を下る途中でもまたまた水を補給。いったい今日はいくら飲むんだろう。呑んでも呑んでもいくらでも入る。丸山さん宅に着いたのは4時40分頃。ではでは,お世話になりました,また,しごいてくださいませ,とご挨拶申し上げて帰途に。ここから先は福島の果物屋さんで頂いた梨を齧りながらのんびりと走る。ようやく自宅に付いたのは5時10分頃。
それにしても,2年前に同じコースを走ったときと同じくらいの時間が掛かったが,今回はメチャクチャ辛かった。前回はえらく楽だった。理由をつらつら考えれば,ああ,あの時は今よりも体重が 5kg 以上軽かったかも,...と思い当たった。5kg の荷物を 3200m まで持ち上げるのに必要なエネルギー,..。地球の重力を実感した一日だった。帰宅後,汗まみれの COLNAGO を洗車して,ようやく終了。お疲れさまでした。その後は,シャワーを浴びて,バッタリ,...。今日は水をおそらくは5リットルは飲んでいるだろう。それでも,渇きを覚えてしょっちゅう水を口に運ぶ。夜になり,食欲もなく,ビールをちょっと呑んだらバッタンキュ〜・・・。