5月始めにあった,チーム・ホシの「新芽を食う会」の席上で,丸山工芸主催(?)のロードイベント・男鹿半島 300km ファストランに参加することを酔った勢いで決めてしまった。う〜ん,300km かぁ,300km ねぇ,..。^^;; 春の陣の4時間エンデューロも無事に完走したし,それなりに走れそうな感じではあるが,なにしろ 200km より先の距離は全くの未知の領域。何が起るのか見当がつかない。脚がもつかどうかと云う不安もあるが,ロードポジションによる身体への負担等々も不安要素ではある。
当日までにやったことが一つだけある。ロード用のレーサーシューズに sidas のインソールを導入したことだ。以前から,ちょっと長い距離を乗ると足(特に右足で,こちらはアキレス腱を切った経験あり)の裏の筋肉が痛むことがあった。50km 程度の距離でもそうなることがある。原因としては,レーサーシューズの靴底の堅さがある。カーボンファイバーと樹脂のコンポジット。高剛性で曲がらない靴底であり,これを力任せに踏んでいると,足の裏の筋肉に負荷がかかる。脚から掛けられる力で脚と靴底の板挟みになるのが足の裏の筋肉ということのようだ。もっとも,だからこそ踏み込んだ力がロスなくダイレクトにペダルに伝えられるのだが。そういう硬い板を何度も全体重を掛けて踏みつけてみるとわかるが,足の裏の筋肉で土踏まずのアーチを保持しようとするようだ。その結果,足の裏の筋肉痛が起るらしい。筋肉痛にならないまでも,そのために使う筋力の積み重ねによる消耗は時間が長くなるほど相当なものになるはずだ。こういった疲労を防ぐためには,踏み込んでいない状態での足の裏のアーチの形と足の当たる靴の中敷の形がピッタリ合っていればよいという話になる。そういった発想で考案されたのが熱をかけて軟化させたインソールを体重を掛けた状態で足の裏の形に合わせて硬化させるスタイルである。その存在は以前から知っていたが,仙台辺りでないと出来ないものと思っていた。今回ふとしたことから知った,米沢にあるアウトドアショップの「On The Way」で作ってもらった。レーサーシューズを履いて歩いてみると足底筋が引っ張られるような感じのないことがよくわかる。本来は少し走り込んでからと思っていたが,生憎時間が取れず,ぶっつけ本番の投入になった。
それともう一つだけ。1週間ほど前から炭水化物の摂取量を意識的に増やした。いわゆる,カーボローディングという奴である。効果の程はわからない。まあ,半分気休めではある。
起床は2時50分。朝というよりも深夜という感じである。まず,朝飯を食って,エネルギーの補給。とにかく腹一杯になるまで詰め込んだ。どうも軽く緊張しているようだ。何しろ距離に対する不安が大きい。道中の補給食として用意したものは,梅干し,粗塩,黒砂糖,バナナ,ウィダーゼリー,蒸しパン,一口ケーキ,などなど。半端な量じゃない。一緒に行く友人を待って,2台の自転車を積んで高畠の丸山工芸へ。4時過ぎに集合場所到着。いろいろと準備。ウェアは尻の痛みと股擦れなどを防止する意味で新しく購入したカンパニョーロのレーサーパンツ。パッドの具合がなかなかいい。これのパッド部分にワセリンを擦り込む。レッグウォーマーとアームウォーマーとウィンドブレーカ姿。早朝なので気温はそれほど高くない。出発前の GIANT(保科), COLNAGO C40(俊光), COLNAGO C40(社長)です。この COLNAGO など,知らない人が聞いたら耳を疑うような値段です。:-D
総勢5人(私,丸山社長,俊光,保科,晃)と2台のサポートカーは4時40分ごろに出発。13号線を山形に向かう。最初はインナーギヤでクルクルと脚を回しながらウォーミングアップ。赤湯の街中を過ぎてトリアゲ坂。何の気なしに先頭を引いて一所懸命登る。ここを越えてしまえば,あとは総体的に下りコース。集団走行でもあり,追い風にも助けられて快調に距離を稼ぐ。蔵王の大学病院の前を1時間10分程で通過。さらに最初の休憩ポイントの「道の駅・むらやま」には2時間10分で到着。ここで約60km オーバーである。ここでちょっと小休止してトイレ。さらに補給してレッグウォーマーを外す。
13号線をひたすら北上。とにかく車(特に大型のトラック)が多く,路肩を走る身にとっては神経を使う。しかも,道の端の方は路面が荒れていて,COPPI (自転車のフレームのメーカーの名前)がとりわけ堅いフレーム(素材がアルミだということが信じられないくらいに)なので,路面の細かい凹凸までも正確に身体に伝えてくれる。3時間45分で「白糸の滝・ドライブイン」へ。この辺りはどうも調子が出なくて,追い風状態でありながら他の4人から切れそうになる。身体の状態もなにかどこかのシステムがうまく機能してなくて全体がチグハグというような感じである。いつもならもっと発汗して暑いはずだが,まだウィンドブレーカを脱げない。もっともまだ午前9時前だが。これから先の道程を思うと大いに不安になり,少々憂鬱な気分で補給を摂った。尻と肩,頚が少々痛む。
立川の風車群を横目に見ながら,追い風を受けて時速 45km ほどで巡航する。出発して5時間で遊佐町に到着。日差しが強くなり始める。コンビニで初めての大休止。カップ麺のしょっぱい汁としょっぱいおにぎりがとてつもなく美味く感じられる。この辺りまでは地名と通過時間をボイスレコーダに小まめに録音していたが,この辺りから次第に忘れるようになった。でも,このコンビニでの大休止で身体のシステムがうまく連携して動くような感じになり,さっきまでとは段違いに脚が廻るようになった。
酒田を経由して本荘へ。この辺りからは海岸線のアップダウンを走る。200km を超えた辺りから,なにかスイッチが切り替わったように脚が軽くなり,先頭でガンガン引っ張る。ダラダラ登りでも 30km/hr を下回らない。頭の中が白くなった。何度か,後ろの人間(丸山社長だったりする)が千切れたと言う声で我に返るが,しばらくするとまた狂ったようにスピードを上げ始める。どうも壊れかけていたようだ。:-D 実走行時間 7時間経過頃にまたコンビニで小休止。残りの距離は 80km ほど。身体も脚も軽く, 300km なんて楽勝だと言う気分(実際はそうでもなかったけれど)。^^; 秋田市に入り,秋田の港付近の道路を走る。残りは3-40km 程か。道路の標示に「男鹿」の文字が見え始めた。いよいよ男鹿半島の突端が前方にボーッと霞んで見え出した。この辺りで頚と肩は耐え難いほどに痛み,ケツもまた頻繁に腰を上げてやらないとどうにもならない状態になってきた。
最後の休憩ポイント。秋田名物の「婆へラアイス」ですっきり。^^; 保科,俊光,社長,晃とそれぞれが思い思いに婆へラアイスを味わいます。:-D 残り 20km 弱。ここから,男鹿市内まではずっと引いた。我ながらよく脚が廻る。もう9時間程も走り続けているのに。脚に疲労感はない。ただ,頚と肩とケツの痛みだけは我慢できないほどになってきている。海辺の道を走りながら,よくここまで来たなぁ。自転車って凄いもんだという感慨に浸る。
高台に有る簡保の宿への急勾配の坂を上り終えて,午後4時45分頃に到着。走行距離は 296~7km(実は途中 Polar の再スタートボタンを押し忘れた時間が少々。^^;),実走行時間 9時間45分,平均速度 30.6km/hr だった。我ながら上出来の走りだ。脚の疲れには今回導入したインソールの効果もあったように思う。いつも起る,足の裏の筋肉の痛みが 300km 近い走行距離でも起らなかったし。もっとも,使わない場合と全く同じ条件で比較したわけではないから厳密なことは言えないけれど,なんか違うなというのは確かに感じた。機材の導入の理由って,そういうものだろうと思う。
今回,走行中の心拍数,クランクの回転数,スピードの全データを記録した。クランクの平均回転数は1分間に 82 回,トータルで片方の足で 50000 回ほど堅い板を踏みつけたことになる。やはりインソールの影響は極めて大きいと結論できそうだ。
到着後,風呂に入って汗を流したらドッと疲労感が来た。階段を上るのもしんどい。が,塩分と水分を摂ってしばらく休んでいると元気が出てきて,夕食時には全員の完走を祝ってビールで乾杯していた。さらに冷酒を追加してほんのりいい気分。が,9時前には全員眠りに就いていた。^^;
5月24日の走行時のデータ。速度のデータは途中で雑音が入ったらしく最高速度は 97km/h なんてことになっている。
夜中に喉が渇いて一遍目を覚ました。水をカブ飲みしてから,その後も熟睡。起床は7時。宿の部屋から見える男鹿半島の先端と海です。不思議なことに頚と肩とケツは痛いものの疲労感はほとんどない。う〜む,どうなっているんだ。補給がうまくいったのか。^^? 8時頃にバイキング形式の朝飯。昨夜あれほど食ったのに,腹ぺこ状態で,3人分ほどの量を平らげてしまう。今日は無補給でも大丈夫だな。:-D
今日は,昨日のコースを途中まで戻り,そこで車に乗り込み帰ろうと言うもの。自転車に跨がってみると,まるでサドルに座布団一枚敷いて座ったような違和感。そう,ケツが腫れ上げっているのだ。そっと触ってみると尾骨の内側に当たる部分がポコンと腫れている。スタート直後から尻が痛くてどうしようもない。こりゃ,ダメだ。
昨日と打って変わって向かい風の中,時速 30km を下回るペースでしか進まない。途中から向かい風の中をやけくそで引き始めた。40km ほどのところで一番年配(56 歳)の参加者が脚が張ってダメだとサポートカーに乗り込んだ。ここからは4人でバイパスを車と路肩の舗装の段差に神経をすり減らしながら走る。が,どうにも,この神経戦に耐えられなくなってきた。走る楽しさよりも,車の排気ガスなどに対する嫌悪感とドライバーのマナーの悪さと危険回避のための緊張感の持続に辟易して来た。そして途中の道の駅に降りたところで,もうここで止めようと言うことに。このまま走り続けると誰かが落車して車に轢かれないとも限らない。現に,私自身が道端の舗装の段差に前輪を取られて危うく落車しそうになっていたし。あれで落車しなかったのは幸運以外のなにものでもなかった。昨日から感じていたが,この国の道路は自転車にはほとほと都合悪く出来ている。必要もないのにクラクションを鳴らしたり,わざと幅寄せする程度と知能の低い(サル以下の)ドライバーもいるし。高速道路とかダムなんて戯言抜かしてないで,こういう道路事情を何とかしろよ,ババア!!(と言っても,あんな無策無能な政治家に何が出来るわけでもないだろうけど)。:-D で,身体の方はまだまだいけそうだったが,65km ほどで止めにすることにした。まあ,しょうがないだろう。
「道の駅・きさかた」で風呂に入って汗を流してビールで乾杯。いやいや,実に楽しい二日間でした。それにしても自分自身の身体の知られざる一面を発見したような,まさにセルフ・ディスカバリーともいうべきイベントでした。今度はできればもう少し交通量の少ないコースを考えて,またやりたいですね。今度は 400km とか,二泊三日で 1000km とか,.に挑戦したいですね。^^; それにしても,結局集合写真は一枚もなし。みんな準備が出来るとてんでんばらばらに出発してしまうからなぁ。^^;;
一緒に走って頂いた方々,企画して頂いた丸山工芸の皆さん(特に社長)とサポートカーを運転して下さった丸山社長の奥様と娘さんに感謝です。